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講演会原稿「思春期の心性」9

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 さて、話をC君の事例に戻します。C君は「イヤイヤ期」がなかった。つまり自分夫行動を自分で決めることの練習を幼児期に十分できなかったということです。これは思春期に負担になります。なぜならば、前に話したように思春期は親から…

講演会原稿「思春期の心性」8

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 非常に具体的に語りましたが、今語ったC君のケースは実際の一つのケースではありません。ですが私が20数年不登校に関わった中での典型的なエピソードを組み込んで創作したケースですので、自分でもリアルに仕上がっていると思います…

講演会原稿「思春期の心性」7

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 久しぶりに再会したC君は私よりも背が高くなっていて、顔つきは大人になりかけた少年のものでした。私との会話で慣れてくるとC君は家での生活が退屈になってきたこと、直接自分に言わずにお母さんに文句を言うお父さんに腹が立ってい…

講演会原稿「思春期の心性」6

 お母さんとのカウンセリングで私が最初に目指したことは、まずお母さん自身の不安を鎮めることでした。大抵の不登校の場合  お母さんの不安が本人に直接伝わりやすくなり本人もまた不安でゆっくりと休めないからです。お母さんには、…

講演会原稿「思春期の心性」5

 ここでちょっと中学生不登校の典型的なケースを挙げてみましょう。ケース自体は私が担当した相談のありふれた例をつぎはぎして創作していますので特定のケースではありません。  C君はお父さん、お母さん、二つ下の妹との4人家族で…

講演会原稿 思春期の心性4

 この時期の後もうひとつ子どもにとって大切な課題の時期があります。それはエディプスコンプレックスといって、お聞きになったことがあるかもしれませんが、フロイトが提唱した概念で、無意識的に男の子がお父さんと競争してお母さんを…

講演会原稿「思春期の心性」3 

 前回のブログからかなり経過してしまいました。暑い夏がやっと終息に向かい、お盆休みをいただいていた当相談室も明日から再び営業となります。  さて、前回からの続きです。  赤ちゃんが最初に達成する必要があるのはこのアタッチ…

講演会原稿「思春期の心性」2

『人が赤ん坊として生まれた直後はご存知のように24時間誰かに面倒を見てもらわなければ生きていけません。人以外の哺乳類はそれほど無力ではないのですが、例えば猿の赤ちゃんは生まれた直後からお母さんにしがみつくことができます。…

講演会原稿 「思春期の心性」1

 先日、名古屋市の生涯学習センターで思春期の心性についての講演をしましたので、長くなり、また過去ブログと重複しますが、何度かに分けて全文を掲載いたします。    『思春期という時期が人生にとって大切な…

思春期心性と不登校 2

前回、思春期は劇的な再編成の時期、と述べましたが、つまりそれは「自分の意志決定」を獲得するために親との距離を取らないといけない時期ということです。  思春期自体は性の目覚めを体験して身体的に大人になる時期ですが、それは無…