心理カウンセリングとは、具体的にはどのようなものなのか
精神分析というと、堅苦しいイメージを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には対面で座り、思い浮かんだことをそのまま話していただくというシンプルな方法です。どんな内容を話すかは、来談者の方の自由です。
もちろん、自分のことをしゃべれない、話すことが見つからないという方もいらっしゃいます。そのような場合には、こちらから質問をしたり、あるいは必要ならばアドバイスもいたします。
何度も通い続けるうちに、段々と自分からさまざまな話ができるようになり、忘れていた幼いころの出来事や、本来の自分の感情を取り戻してゆきます。そうすることによって、長年苦しんでいた心の問題や症状も改善されてゆきます。
治療の頻度
初回カウンセリング時、話し合いにより適切な治療頻度を決めさせていただきます。
ただ、回数が減ると必然的に、治療者と患者の関係も遠くなってしまいます。あまりに間が空きすぎると、前回何を話したか、忘れてしまったり、単なる「経過報告」だけに終わってしまって、生き生きとした感情の交流が起こりにくくなってしまいます。あるいは、大変な状況の方の場合、セッションとセッションの間の時間を一人で耐えることがつらくなります。
ただ、経済的あるいは時間的に困難な場合は隔週、月一回、あるいは不定期のご予約もお受けしております。当相談室では、金銭的に不安のある方でもなるべく通いやすいように、一回の料金を低く設定しています。
本人でないと受けられないのか
そのようなことはありません。
家族や、本人と親密な方が受けることでよい効果のある場合も多いのです。
たとえば、私はスクールカウンセリングで多くの保護者の方と継続してカウンセリングをしてきました。
特に不登校の場合、本人は出て来られないことが多いので、お母さんに来ていただく場合が多いのですが、近しい方が心理療法を受けることで、本人への接し方が安定し、結果的に良い方向に行きます。また、最初は保護者の方の面接から始まり、のちに本人がカウンセリングを受けにくるという例も多くあります。
今、よく話題になる「認知行動療法」との違い
認知行動療法は、精神分析から分岐した治療法です。
精神分析的心理療法は、期間が決められておらず、またマニュアルもありません。セラピストが一人前になるまでに長い期間が必要ですが、経験豊富なセラピストが相手に合わせて最善のセラピーをすることが可能です。
現代の効率化された社会では、それが難しいため、短期間に、自分の考え方を変える技法として、認知行動療法が編み出されました。
認知行動療法は、大変効果的な方もいらっしゃいますが、あまり効果がなかった、あるいはつらかったと感じる方も、実は多くいらっしゃいます。
本来、人間は一人ひとり、さまざまな因子がいっしょになって、人格を形成しているため、短期間である症状のみをターゲットに変化させることが難しいからです。
認知行動療法が、比較的健康度の高い方を対象にしているのに対して、精神分析的心理療法は、あらゆるレベルの心の問題を持った方が対象になります。
実際に、当相談室に継続していらっしゃる方の多くが、他の医療機関や相談機関でカウンセリングの経験のある方で、それで満足が出来ずに変わってこられた方達です。
当相談室では、精神分析的心理療法を採用しております。