もしかしてうつ病?と悩みを抱えている方に、うつ病について解説します

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うつ病にかかる人は近年急増しています。病院やカウンセラーにかかっていない人のなかにも、うつ病の症状にお悩みの方が多いことでしょう。うつ病の症状を放っておくとどんどん悪化してしまうので、早めの治療が必要です。

 

うつ病の症状

うつ病とは気分が乗らない、やる気が出ない、なんとなく具合が悪いという、心と身体の病気です。主に疲労感や頭痛、睡眠障害などの身体的症状にあらわれます。内科を受診しても異常がないと診断されてしまい、うつ病を見逃してしまうことがあるのも事実です。併発して精神的症状が出ることが多いなか、稀に身体的症状だけが発症する「仮面うつ病」というものもあります。これもうつ病の一種です。

精神面では、急に悲しくなったり気分が落ち込んだりする、抑うつ状態が一日中続くことが症状として挙げられます。また感情の起伏がなくなり、興味や喜びがなくなるため、何をしても楽しみを得られなくなります。重篤化すると思考力や集中力が低下してしまい、「自分のせいで周りの人が不幸になる」などという妄想から、急に会社をやめたり自殺をしてしまったりという最悪のケースが起こりうるでしょう。

身体面では、前述のとおり疲労感や頭痛、肩こりや睡眠障害を強く感じ、食欲もなくなっていきます。身体面も重篤化すると不安感や焦燥感からじっとしていられなくなり、身体をさする、貧乏ゆすりが止まらなくなるなどの症状が出てしまいます。

うつ病はぱっと見ただけでは判断が難しいものです。症状自体もただ怠けていると見られがちで、周りの理解も得られにくいことがあります。自身も「甘えだ」と病院に受診しないことが多いため、気づいたら症状が悪化している場合が多いでしょう。そのため、上記のような症状に悩まされている段階で、すぐに心療内科への受診をおすすめします。

 

うつ病の原因

うつ病の原因は詳しく解明されていませんが、脳の神経伝達物質の減少が考えられています。真面目な人や几帳面な人、責任感が強い人が発症しやすい傾向にあり、物事に真剣に取り組むあまり、抱え込みすぎてしまうことがうつ病の引き金になるようです。

うつ病のきっかけとしては、自身を否定される苦痛や、介護・育児による心身の疲労が挙げられます。ほかにも、「マタニティブルー」や、大きなことをやり遂げたあとに起こる「燃え尽き症候群」。自分のキャパシティを越える責任が押しかかる、「昇進うつ病」などもきっかけになる場合があります。

うつ病は20代の女性に発症することが多く、発症率も高くなります。自己判断で病院に行くことをやめずに、しっかりと治療をしていくことが大切です。

 

受診のタイミング

家族がいる方であれば、いつも以上に疲れていたり、表情が暗くなった様子が見受けられたり、口数や食欲が減っているようでしたら受診をすすめるべきです。一人身の方であれば症状を自覚するのが難しいため、日頃から友人や家族、仕事仲間と会って会話をする機会があるといいでしょう。

 

治療の方法

うつ病で悩む人の治療方法は「薬物療法」「心理療法」「入院療法」の3つです。いずれも症状のレベルによって療法が変わります。

 

薬物療法

うつ病の薬物療法は抗うつ薬が用いられます。うつ病は、身体の機能が正常に働かない機能性疾患です。風邪薬のように、症状が治まったからといって服薬をやめてはいけません。 また抗うつ薬は、効きはじめるまでに1~2週間を要します。どうしても服薬期間が長くなってしまうので、人によっては便秘や食欲不振などの副作用に悩まされます。根気強く治療をしていくことが大切です。

 

心理療法

心理療法にはさまざまな方法がありますが、主に扱われるのは「認知行動療法」と呼ばれるものです。物事の捉え方を「認知」とし、認知によって自然に出てくる自動思考を振り返ることで、否定的な認知だけでなく、肯定的な認知も見出せるようにしていきます。そうすることで、抑うつや不安などの軽減を目指す方法です。

ほかにも、普段の行動パターンへのアプローチも行うことによって、うつ病による気持ちのしんどさや活動することへの意欲を取り戻していきます。認知行動療法は、病院と臨床心理士と呼ばれるカウンセラーとの面談のなかで進められていきます。ゆっくり自分の心と向き合えるでしょう。

もう一つは、対人関係療法と呼ばれるものがあります。患者の周りの家族や友人たちと良好な関係を築けるように、コミュニケーションのあり方を工夫する手助けをしていく方法です。

 

入院療法

うつ病で悩んでいる方の一番の治療方法は休息です。しかし、真面目な性格から仕事や学校を休めないという方や、自殺をする可能性が高い方は、入院をして治療を行っていきます。入院をすることで社会との連絡を断絶するため、休息を取りながら薬物療法や心理療法を駆使して治療に専念できます。

 

まとめ

うつ病は周囲から理解が得られないという理由で、なんとか自力で立ち向かおうとする方がいますが、れっきとした病気です。きちんと病院やカウンセラーに頼り、自分が楽になれるように治療をしていきましょう。