たくさんの人と会って、その心をきいてゆくと、多くの人が「自分は(自分の感情は)おかしい(悪い)。」と感じているようです。
そういう時、セッションの中では言えませんが、私は心の中で「おかしい(悪い)感情なんて何もないのに。」と思っています。
おかしい、悪い感情の出し方というものはあると思います。たとえば、相手に暴力をふるったり、自分を傷つけたり・・・
それでも、おかしいということとは違いますね。「受け入れがたい」とか、「困る」という受け手の感情です。
どのような気持でも、それが心の中にとどまっている限り、おかしいとか悪いものはなにもありません。
本当に、何もないのです。元々の感情とは、ちょうど「お腹がすいた」と感じるように自然なものです。
ただ、それが誰にも届かず心にとどまっている限り、変化して自分が受け入れられるようになってゆくのが難しい。
「こころ」というのは、「だれか」とのやりとりで変化してゆくものです。
その「だれか」を自分の中に見つけられて、変化につながるような会話ができる人は幸せです。
その誰かは自分自身の心の中の誰かかもしれませんし、現実の世界のだれかかもしれません。
でも、ともすると、それは同じ道をぐるぐる回って元の場所にもどってしまったり、話がないまま凍り付いてしまったり。
「こころ」には受け皿が必要です。私はこれを、伸び縮みする革袋のようにイメージしています。
受け皿のない「こころ」は、感じたことをとどめられずに、流れていってしまいます。
流れたそれは形を変えて、症状になったりうつになったり、悪さをする原因になります。
受け止められた「こころ」は、ようやくその気持ちを自分の中に受け入れることができます。
それが心地よいものかどうか分かりませんが、流れずに自分の「こころ」の一部に取り入れられるようになってゆきます。
そしてそれが、心が成長してゆくということです。
私たちがやっているお仕事は、その大部分は「受け皿」になることです。本来はあなたやあなたの周りのだれかができるとよいことですが、できないことも往々にあります。
そういうときお手伝いすることが私の仕事です。
もし、あなたが、ひとりでは受け止められず、形にならない何かを持ちながら、どうしたらよいか困っているのでしたら、私たちがあなたの「こころ」の助けとしてお手伝いをします。