カウンセリングとは?

ネットの友人から、「傾聴とカウンセリングはどう違うのか?コーチングとの違いは?」という質問を受けました。

そういう疑問を持つ方も多いかと思い、自分なりの言葉で簡単にまとめてみます。

 カウンセリングというのは、ものすごく大きな概念で、とてもよく使われています。美容院で髪型の相談を受けるときにも、歯科医で治療を受けるときにも、「カウンセリング」という言葉を、相談あるいは丁重な説明という意味合いで使うようです。

私たちの仕事は「心理カウンセリング」ですが、現在は、この分野だけでも、数々の技法や理論が林立しています。

「傾聴」という言葉は、読んで字のごとく、耳を傾けて聴くということです。これは、「来談者中心法」と訳される、ロジャースの理論と技法に最初に使われて日本に導入された言葉です。クライエントの言葉に、心から耳を傾けるという意味です。

言葉としては簡単ですが、本当の意味で実践することは、とても難しいものです。

ロジャースはこの「傾聴」と、「受容」「共感的理解」「カウンセラーの自己一致」が大切だと主張しています。

カール・ロジャースはアメリカで、それまでの主流だった精神分析治療に対抗してこの治療法を打ち立て、日本では精神分析学よりも先行して、こちらが主流になりました。

「コーチング」は、ごく最近出てきた技法で、どちらかというと、精神的に健康な人を対象に、その人が、よりよく仕事や生活に適応するための考え方の手助けをする、というものだと思います。

(コーチングに関しては、詳しくありませんので、もし誤りがありましたらご指摘ください。)

説明としてはこのようなものになります。

ロジャースの理論は、そのころの精神分析、寝椅子の後ろに座って質問と解釈を繰り返す治療者像への反発から生まれたといわれていますが、現在のどのようなカウンセリングにも、この「受容」「傾聴」「共感的理解」「カウンセラーの自己一致」は基本的に大切な要素だと私は考えています。

これがないカウンセリングでは、何も始まりません。

すべての心理療法家の基本の部分です。

私の取っている立場は、「精神分析的心理療法」ですが、この技法は、この基本の部分の上に、「転移、逆転移の起こっている過程を理解して、治療的に使えること」「精神発達段階についての見立ての上で、患者(クライエント)を見ることができること」が加わっていると、理解しています。

最後の部分に関しては、また別の機会に詳しくお話したいと思います。

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