発達障害の疑いを持ったら 

最近は、幼児期の検診や小学校で発達障害の疑いを指摘されたり、あるいは社会人になってから何かの違和感を感じて、自分自身でネットで調べ、診断を受ける発達障碍者の方が増えました。

私が中学高校のSCとして出会う生徒さんの中にも、かなりその疑いの強い方がいらっしゃることが多々あり、その場合には、一人一人の生徒さんの事情をよく理解したうえで、受診につなげるかどうか判断しています。

診断を受けた場合でも、多くの場合、医療機関ではそれ以上のフォローがなく、大変不安な思いをされている当事者の方や保護者の方を拝見していると、心が痛みます。

 私の経験から、もしお子さんが、あるいは本人が「発達障害では?」と疑いを持った時、どのような対処法があるのかを大まかに書いてみます。

まず第一に、発達障害を疑うには、それなりの困り感が背景にあるのでしょうから、一度医療機関を受診してみられることをお勧めします。

ただ、発達障害について本当に詳しい医療機関は多くありませんので、県に設置されている「発達障害支援センター」にまず電話してみて、近辺で発達障害の診断ができる医療機関について問い合わせてみてください。

 いくつかの医療機関を紹介してくれるはずです。

 ただ、現在、どの機関も半年程度待たされるのが通常です。医療機関が間に合わないほど、発達障害疑いで受診する人が増えているのが現状です。

次に、 医療機関を受診するにあたって、できればWAIS(18歳未満ならばWISC)を含む検査を受けられる所がよいので、電話で問い合わせをしたときに聞いてみましょう。

この検査は、個別に受ける知能検査ですが、言語性と動作性の検査に分かれていて、それぞれにいくつかの下位項目があります。それによってその人が何が苦手で何が得意なのかを知ることができ、後々の支援や自分で工夫するための参考になりますので、ぜひその検査結果を教えてもらってください。

ただ、医療機関の中には、数値の書いたローデータを患者さんに手渡すことに消極的なところもありますが、そんな場合も、「支援に必要だから」と言えば大抵渡してもらえますので、思い切ってお願いしてみましょう。

 もし、医療機関では受けられなくても、確定診断は医療機関しかできませんが、WISCの検査だけならば、市町村によっては児童相談所でも検査をしてくれる所もありますので、そちらに問い合わせてみてもいいと思います。

高校までのお子さんの場合、発達障害の支援が義務付けられていますし、SCが訪問する学校も増えているので、診断が下りればまず担任の先生に相談してみるとよいでしょう。

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