スーパービジョンとは?心理カウンセラーへの効果や役割など解説

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心理カウンセラーの仕事は、知識だけでは務まらず、経験も必要です。とくに心理カウンセラーの当初は「本当にこの方法でよいの?」など悩むこともあるでしょう。そんなときに先輩のスーパーバイザーから指導を受ければ、心も軽くなります。人の悩みを解決するには、まず自分の心の問題を解決しましょう。

 

スーパービジョンにはどんな役割がある?

スーパービジョンは、心理カウンセラーなどが専門知識などの向上のために助言や指導を受けることを指します。心理カウンセラーが人の悩みを解決するためには、知識だけでは不十分です。

指導を受ける側が「スーパーバイジー」、指導する側は「スーパーバイザー」と呼ばれ、「この方向性でいいのかな?」などと悩むカウンセラーに気づきを与えるのが主な役割です。

 

スーパーバイザーから得られる効果

スーパーバイジーは、自分が担当した内容をスーパーバイザーに報告します。報告することで、今後のカウンセリングや指導、治療などのアドバイスをもらえるのが特徴です。スーパービジョンには、マンツーマンとグループの二種類がありますが、どの方法でも効果には違いはありません。

スーパーバイザーは、初心者が多いスーパーバイジーにとって師弟の関係を築けます。カウンセラーも人間であるため、悩むこともあります。スーパービジョンを受けることで、自己分析が行われるのも特徴です。よりよい指導ができる手助けをしてくれるのが、スーパーバイザーから得られる一番の効果といえるでしょう。

 

コンサルテーションとの違いは?

スーパービジョンとも似ている言葉に「コンサルテーション」があります。両者の違いは、スーパービジョンが同じ分野の指導者に教えを受ける立場であるのに対し、コンサルテーションでは、他分野の専門家の間で行われる指導である点が違います。

コンサルテーションは、たとえば「教師が教育面での悩みをカウンセラーに相談する」などがあります。またコンサルテーションは立場が対等ですが、スーパービジョンには上下関係があるのも特徴の1つです。

 

スーパービジョンの効果とは

スーパービジョンは、後輩が先輩に指示を仰ぎ、自身のスキルアップを目指す方法です。スーパービジョンには、個人スーパービジョンとグループスーパービジョンがありますが、得られる効果はほぼ同等といえます。

理解を深める効果

スーパービジョンを行うと、カウンセラーの実際のやり取りを扱うため、指導内容の理解度を高める効果があります。スーパーバイジーでは気づけなかった部分も、スーパーバイザーなら気づく場合もあるからです。

理解力がアップすれば、洞察力も身につき、今後のカウンセリングに強く影響するでしょう。自分では見えなかった部分も見られるようになるのは大きな効果です。

 

技術を得る効果

技術を得るには、本や教科書からでも可能です。ただ本に書いてあることだけでは、実際のカウンセリングには役に立たないこともあるでしょう。そんなときに、先輩でもあるスーパーバイザーの助言を得られれば、より実践に適応した技術が身につきます。

 

心の平静を得る効果

新人のスーパーバイジーには、緊張や不安もつきものです。自分がカウンセリングをする立場になったとき、冷静でいられないこともあり得ます。もしスーパーバイザーに指導を受けられれば、対応を聞くこともでき、心の平静を得ることも可能です。

このとき得た気づきを元にして、スーパーバイジーはさまざまな場面にも、冷静に対処できるようになります。

 

パラレルプロセスに対する理解

パラレルプロセスは聞きなれない言葉かもしれませんが、意味は両者が同じ、または似た進展があった場合を指します。たとえば、愛憎が悩みの元であった場合、スーパーバイジーとスーパーバイザーの間に愛憎関係が生まれるなどです。

スーパービジョンの中で得た経験を元に、スーパーバイジーがクライアントの依頼をしっかりと理解することができる点はメリットでしょう。似た経験を共有することで、お互いが連動するケースです。

 

スーパービジョンの相手はどうやって探す?

スーパービジョンの相手を探したくても、同じ職場にスーパーバイザーがいるとは限りません。そのため、スーパービジョンの相手を自分で探さなくてはいけないケースもあります。心理カウンセラーは繋がりも大切なので、しっかりと信頼できる相手を探しましょう。

 

人づてに紹介してもらう

もしスーパーバイザーを探すなら、同期の人や先輩などから人づてに紹介してもらう方法があります。紹介してくれた人がある程度のネットワークを持っている人なら、選んだスーパーバイザーとも信頼関係が築きやすいでしょう。

ただ、人づてに紹介してもらった場合は、スーパーバイザーに不満があってもすぐに断れないのはデメリットです。カウンセラー同士の軋轢を生む可能性もあるので、人づての紹介は簡単に探せる分、デメリットも大きくなります。

 

ネットで探す

ネットでスーパーバイザーを探すのも1つの方法です。ネットで検索すれば、同じ心理カウンセラーの立場から探すのも簡単です。ただ、ネットの情報を鵜呑みにすることは危険なので、臨床経験の有無などは問い合わせておきましょう。

 

ケースカンファレンスとはどこが違う?

心理カウンセラーがスーパービジョンを行うことで得られる効果は前述しましたが、同じような意味の「ケースカンファレンス」があります。ケースカンファレンスは、同じレベルのカウンセラーが集まるので、上下関係がないのが大きな違いです。

スーパービジョンが先輩からの助言を受けるのに対し、同じ立場の人からの意見を参考にするのも違いと言ってよいでしょう。スーパービジョンよりも安価ではありますが、悩み解決ができるとは限らないのはデメリットです。

 

まとめ

スーパービジョンの意味や効果、スーパーバイザーの探し方などをご紹介してみました。心理カウンセラーは臨床経験を積まないと、一人前とは言えません。ただ最初は誰でも初心者です。スーパーバイザーにアドバイスをもらえば、精神的にも楽になれるのは大きなメリットといえます。

もし心理カウンセリングでスーパーバイザーの助けを得たいなら、ぜひ一度「清洲心理相談室」にご相談ください。臨床心理士のカウンセリングを受けていただければ、同じカウンセラーの悩みなどにもアドバイスします。ご用命の際はお気軽にお問い合わせください。